Vol.1 「だれか」から「わたし」へのシフト

【エネルギー】

【エネルギー】

 

SUGIZO

written by 西岡舞子

ライブ会場で

生み出した、

水素エネルギーと可能性。

Photo by Keiko Tanabe

2017年5月29日。ロックバンドLUNA SEAのメジャーデビュー結成を記念した『The Anniversary 2017 5.29』が日本武道館で開催されました。この日、ぐるりと観客に囲まれたステージ上でギタリストのSUGIZOさんが見せてくれたのは大きな可能性でした。

 

環境活動家として活動する人はたくさんいますが、SUGIZOさんは自身のフィールドで今までの価値観を捨て、新しいアイディアや技術を取り入れることで道を切り開いているアーティスト。WorldShift Network Japan発足当初からもフォーラムや(2011年時)WorldShift宣言に参加するなど協力してくれています。「僕ができることならなんでも言ってください」いつもそう言ってくれているSUGIZOさんが今どんな世界を見ているのか……WorldShift Magazineでは彼の視線の先をのぞいてみることにしました。

 

再処理工場やヨルダンのシリア難民キャンプへと足を運ぶなど、様々な社会問題に関心を持ち実際に現状を知ろうとするSUGIZOさんの行動を通して多くの人が心を動かされています。それはただ彼が事実を伝えているからだけではなく、世界で起こる問題を「自分ごと」として考え発信しているから。

 

「だれか」から「わたし」へ。

 自分の世界を変えていくことで、変わっていく世界。

 

日本武道館での公演の一週間前、SUGIZOさんは都内で会見に臨んでいました。そこで行われたのは「水素燃料電池コンサート実行記者会見」。コンサートではSUGIZOさんのギターへ水素自動車から電源供給が行われるというプロジェクトの説明が行われました。このプロジェクトのはじまりは2017年2月。クールジャパンのイベントで同席した当時の自民党衆院議員と「燃料電池をコンサートの電力供給源にできないか」と話したことからスタートしました。これはホンダだけでなくトヨタ自動車との合同のプロジェクトで企業の壁を越えてひとつの未来の提案をするということも大きな注目を集めました。

 

「環境にいいだけでなく、送電線を通さないピュアな電力だから劣化やノイズがない」と水素エネルギーを使って演奏した印象をSUGIZOさんは話します。「一般の電気よりもはるかにクオリティが高く、エネルギー問題に興味がないアーティストでも音を聞けば興味を持つはず」。

 

クオリティの高さを求め、同時に環境問題にもひとつの解決策を提示した形で日本武道館は熱狂の渦に飲み込まれます。また、コンサート当日、日本武道館の正面にはホンダとトヨタ自動車の水素自動車が展示され、公演を支えるすべてのスタッフのTシャツには二社のロゴが入っていました。ひとつのチャレンジに向けて企業やアーティストがそれぞれの立場で参加している。それこそが、SUGIZOさんの活動を見つめる中で一番印象的な動きでしょう。社会活動家ではなく、ミュージシャンとして自身のフィールドでシフトを体現しているSUGIZOさん。私にも何かできるのではないか……そうやって新しい一歩を踏み出す人はこれからも増えていくはずです。

 

世界初の水素コンサートとして、NHKをはじめとしたメディアにも取り上げられその影響力と可能性の高さを感じることができました。

次は、全楽器の音を水素燃料電池車から電気を供給できるか……2017年12月23日、24日に行われるLUNA SEAのさいたまスーパーアリーナ公演『The Holly Night 2017』に向けてチャレンジをしているそうです。

常に新しい世界を見せてくれる。そんなSUGIZOさんらしい姿を追っていきたいと思います。

 

(文:西岡舞子 / WorldShift MAGAZINE編集部)

 

SUGIZOプロフィール

ギターを越えたスピリチュアル・アクティヴィスト

1992年5月、LUNA SEAのコンポーザー、ギタリスト、ヴァイオリニストとしてデビュー。

1997年、約1年間の同バンド活動充電期間を機にソロアーティストとして活動。

2000年末、90年代ロックシーンを牽引し数々の伝説を残したLUNA SEAが終焉。

2001年より、映画音楽や役者、コンテンポラリー・ダンスにまで領域を広げ積極的にソロ活動を再開する。

2007年12月24日、LUNA SEAが東京ドームにて一夜限りの復活ライヴを行う。

2009年、X JAPANに正式メンバーとして加入。

2010年、LUNA SEAが海外公演を含めたREBOOTツアーを行い本格的にバンド活動を再開する。

幼少期よりヴァイオリンや音楽等、クラシック音楽の英才教育を受けて育ち、綿密に構築された唯一無二の作曲能力、瞬間を切り取り光に昇華させるかのようなギター&ヴァイオリン・パフォーマンス、美しくもディープな宇宙的スピリチュアル・サウンドデザインは極めて評価が高く、シーンを創世し、ジャンルの境界を壊しながら縦横無断にアートを舞うその美意識は国内外にて圧倒的な存在感を誇る。

音楽と平行しながら平和活動、環境活動に積極的に参加、アクティヴィストとしての動きをも幅広く展開している。

現在、日本を代表するロックバンドLUNA SEA、X JAPANそしてU.K.の伝説的トランスユニットJUNO REACTORのメンバーとして、世界規模で活動中。

 

LUNA SEA日本武道館

Photo by Keiko Tanabe

Photo by Arata Kato

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